この記事では「ユーザー獲得コホート」レポートの見方を解説します。新規ユーザーを獲得した後の収益推移を把握し、チャネル別のLTVを評価するための方法を紹介していきます。
新規ユーザー獲得後の成果を把握しよう
「ユーザー獲得コホート」レポートの特徴は、新規ユーザーを獲得した後の収益推移を追跡できることにあります。どのチャネルから流入したユーザーが、その後どれだけの価値を生み出しているのか。このレポートを活用することで、初回訪問からの120日間におけるユーザーの購買行動を、最初の流入チャネル別に可視化できます。
単に「どこからユーザーが来たか」ではなく「どこから来たユーザーが最も価値を生み出しているか」という質的な評価ができるようになります。
レポートで確認できる主要指標を理解しよう

「ユーザー獲得コホート」レポートで確認できる指標は、以下の4つです。
- 新規ユーザー数
- 合計収益
- トランザクション
- 120日間の平均値
特に注目すべきは「120日間の平均値」です。
この指標は、ユーザーがサイトを初めて訪問した日から120日間の平均収益を表示しています。例えば、初回訪問時には購入に至らなかったものの、その後、再訪問を行うユーザーが多いチャネルは、短期的な成果だけでは評価できない価値があります。このような長期的な視点での分析が可能になります。
この指標は最初のトランザクション(初回購入)からではなく、初めて訪問した日からの計測であることに注意が必要です。
「120日間の平均値」の計算方法を把握しよう
「120日間の平均値」がどのように計算されるのか、具体例で見てみましょう。
例えば、あるユーザーが以下のような訪問履歴を持つ場合を考えてみます。

この場合、初回訪問(6/1)から数えて120日以内の取引のみが対象となるため、6/1の訪問で発生した5,000円と9/29の訪問で発生した10,000円の収益は計算に含まれますが、10/15の訪問は120日の期間を超えているため対象外となります。
したがって、「120日間の平均値」は15,000円となります。

この仕組みを理解することで、新規ユーザーの初期LTVをより正確に把握することができます。
利用できるディメンションで多角的に分析しよう
このレポートでは、ユーザーの最初の流入経路に関する様々なディメンションが用意されています。
- ユーザーの最初のデフォルトチャネルグループ
- ユーザーの最初のメディア
- ユーザーの最初の参照元
- ユーザーの最初の参照元/メディア
- ユーザーの最初の参照元プラットフォーム
- ユーザーの最初のキャンペーン
これらのディメンションを使い分けることで、「どのチャネルからの流入が最もLTVが高いか」「どのSNSプラットフォームからのユーザーが長期的に価値を生み出しているか」など、様々な粒度から分析できます。
「ユーザー獲得」レポートとの違いを理解しよう
「ユーザー獲得コホート」レポートと「ユーザー獲得」レポートは名称が似ていますが、目的と指標が異なります。「ユーザー獲得」レポートは、どのチャネルから新規ユーザーを獲得できているかを把握するためのもので、以下のような指標が含まれます。
- 総ユーザー数
- 新規ユーザー数
- リピーター数
- アクティブユーザーあたりの平均エンゲージメント時間
- エンゲージメントのあったセッション数(1アクティブユーザーあたり)
- イベント数
- キーイベント
- ユーザー キーイベント率
一方、「ユーザー獲得コホート」レポートは、新規ユーザーが獲得後120日間にどれだけ購入したか(LTV)を、最初の流入チャネル別に確認することを目的としています。

「ユーザー獲得」レポートが「量」の観点から新規ユーザー獲得を評価するのに対し、「ユーザー獲得コホート」レポートは「質」の観点から獲得後の価値を評価するためのものと言えます。
レポートの実践的な活用法を考えよう
サイト運営において、このレポートはどのように活用できるでしょうか?
例えば、Organic Searchからのユーザー獲得数は多いものの、120日間の平均値が低い場合、約4ヶ月経ってもコンバージョンに繋がらないユーザーにアプローチしている可能性が高いです。検索流入が多いキーワードよりも、購買意欲の高いキーワードにフォーカスすることを検討すべきでしょう。
逆に、SNS経由の新規ユーザーは少なくても120日間の平均値が高い場合、SNS運用の予算を増やし、新規リスト獲得に注力する価値があるでしょう。
このように、チャネル別のLTVを把握することで、単なるユーザー数の最大化ではなく、収益に直結するユーザー獲得戦略の策定が可能になります。
さいごに
「ユーザー獲得コホート」レポートを活用することで、チャネル別の新規ユーザーLTVを正確に把握し、より効果的なマーケティング予算配分や戦略立案につなげることができます。
短期的なユーザー獲得数だけでなく、長期的な収益を測定することで、価値のあるチャネルや施策を見極め、サイトの長期的な収益最大化に貢献しましょう。

