この記事は、プレスリリース「クラフトビールの飲み方、出会い方について調査 ― 新たな接点は『店頭での発見』と『友人・知人の紹介・口コミ』が中心 ―」の補足記事です。プレスリリースでは触れきれなかった内容も含めて解説します。
調査の背景
プレスリリースでも触れましたが、2025年時点で国内のクラフトビール醸造所数は1,000か所に迫る水準まで増加している一方、市場シェアは2023年度時点で1.72%にとどまっており、まだ限られた層にしか届いていない状況です。

また、「クラフトビール」という言葉自体は広く使われていますが、検索トレンドを見ると2023年をピークに減少傾向にあり、関心の伸びには鈍化も見られます。

このような状況を踏まえ、クラフトビール好きの一員として何ができるかを考えるため、クラフトビールの飲み手を対象に、飲用実態や店舗選びの行動・意識について調査しました。
ブルワリーを取り巻く環境が変化する中、ブルワリーが飲み手の動向に注意を払い、飲食店やイベント主催者と連携しながら適切なコミュニケーションをとることがますます重要になっています。本調査がブルワリーと飲み手のより良い関係構築の一助となればと思っています。
調査概要
今回の調査は、事前調査と本調査の2段階で実施しています。
事前調査
調査期間:2026年3月17日〜18日
調査対象者:20歳から69歳の男女
調査方法:ユニーリサーチを用いたインターネット調査
有効回答数:13,554名

本調査概要
調査期間:2026年3月17日〜18日
調査対象者:直近3か月以内にクラフトビールを飲み、かつ2〜3か月に1回以上飲んでいる方
調査方法:ユニーリサーチを用いたインターネット調査
有効回答数:431名

事前調査では、クラフトビールを3か月以内に飲んだ人は5.1%
事前調査では、20代から60代の男女13,554人に、直近3か月以内の飲酒状況を尋ねたところ、クラフトビール(大手ビール以外)を飲んだと答えた人は5.1%で、今回聴取した酒類カテゴリの中でも低い水準となりました。
また、クラフトビールの内訳を見ると、SPRING VALLEY BREWERYやヤッホーブルーイングといった大手ビールメーカーと提携しているメーカーの飲用率は4.2%、それ以外の独立系メーカーでは2.8%となりました。

年代別に見ていくと、また違った特徴が見えてきます。
20〜40代では大手メーカー提携(4.7~4.9%)と独立系メーカー(3.1〜3.9%)の差が小さいのに対し、50〜60代では独立系が2%前後まで落ち込み、両者の差が拡大していました。独立系メーカーは若年層ほど相対的に支持されやすく、年齢が上がるにつれ大手メーカー提携のクラフトビールの割合が相対的に高まっていると考えられます。

続いて本調査では、以下の5つのアンケートを実施しています。
- クラフトビールを楽しむときの傾向
- クラフトビールを飲むシーン
- お店を選ぶとき(来店前)に重視すること
- 新しいお店やビールを知るきっかけ
- 実際に行った後、「また来よう」と思った理由
飲み手の7割以上が「いろいろな銘柄やスタイルを試すことが楽しい」と回答
クラフトビールを楽しむときの傾向として、当てはまるかどうかを聞いた結果、「いろいろな銘柄やスタイルを試すことが楽しい(73.0%)」が最も高く、探求・好奇心がクラフトビール飲用の中核にあることがわかりました。次いで「旅行やイベントのついでに飲む(68.9%)」「一人でゆっくり・自分へのご褒美(66.6%)」と続き、特別なシーンや自分時間との親和性が高くなりました。
一方で、「クラフトビールに詳しくなくてもいい(60.8%)」「スーパー・コンビニで買って家で楽しむ(59.4%)」も6割前後と高く、気軽に、日常の中で楽しむ層も一定数いることがうかがえます。
また、「作り手のこだわりやブランド哲学に共感(52.9%)」「旅行先の判断基準にブルワリーを入れる(55.7%)」と、ストーリーや体験を軸にした訴求の余地があることを表しています。

自宅飲みが中心ながら、専門店やイベントといった非日常シーンでの需要も
飲用シーンは「週末・休日に自宅で(59.9%)」が最多で、次いで「週末・休日にタップルームや専門店で(41.1%)」「平日に自宅で(38.5%)」と続きます。自宅での飲用が平日・休日ともに上位を占めています。
一方、「イベントの前後(35.0%)」「ビールのイベントに行って(31.6%)」「イベントの最中(30.6%)」を合わせると、イベントでの飲用も幅広く、体験型の場でも消費が生まれていることがうかがえます。

お店選びの基準は「ビールの質」だけでなく、雰囲気・フード・価格も重要
お店を選ぶ際に重視することの上位は「ビールの味が好み(52.0%)」が最多で、「雰囲気が良い(47.1%)」「フードが良い(43.4%)」「ビールの種類が多い(42.9%)」「価格が納得できる(40.8%)」と続きます。ビールの質だけでなく、雰囲気・フード・品揃え・価格が揃って初めてお店選びの条件となっているといえます。
一方、「店員の説明が良い(24.4%)」「その店ならではのストーリー・世界観(23.7%)」といった体験・こだわり系の要素は20%台にとどまります。

新たな接点は『店頭での発見』と『友人・知人の紹介、口コミ』が中心
新しいお店やビールを知るきっかけは、「店頭で見かけて(47.8%)」が最多で、次いで「友人・知人の紹介/口コミ(38.7%)」「Webメディア・記事(35.3%)」「コンビニやスーパーで見かけて(34.6%)」と続きます。
一方、「旅行情報(32.3%)」「SNS(32.0%)」「ビールイベント(30.2%)」も30%前後と高く、様々なチャネルが並行して機能していることがわかります。

再来店の決め手は「期待通りの体験」
「また来よう」と思った理由の上位は「雰囲気が良い・居心地が良い(47.1%)」が最多で、「フードが良い・食事としても満足できる(45.2%)」「味に外れがない(43.2%)」「価格が納得できる(42.0%)」と続きます。来店前の重視点と上位項目がほぼ一致しており、事前の期待に応えることが再来店の最大の条件となっています。
一方、「店員の提案・説明が良い(23.4%)」「行くたびに新しい発見がある(22.7%)」「コミュニケーションが楽しい(22.0%)」といった人・体験に関わる要素は、来店前の重視点と比べて相対的に存在感が増しており、実際に訪れることで初めて評価される項目といえます。

今後も調査を実施していきます
本調査に続き、以下のテーマを中心にクラフトビールに関する継続調査を予定しています。
- クラフトビールを想起するタイミング
- 飲むきっかけ(直近の行動トリガー)
- 飲む理由(消費者側の事情・シチュエーション)
- クラフトビールへの積極度・関与度
など
調査データをより現場に活かすため、ブルワリーの皆さまやクラフトビールにかかわりのある皆さまからの声もぜひお聞きしたいと思っています。
「データを見て気になった点」「自分たちの肌感覚と合っていた、合っていなかった点」「もっと深掘りしてほしいテーマ」など、どんな些細なことでも構いません。
データをもとにしたディスカッションの場も設けたいと考えていますので、ぜひお気軽にご連絡ください。
調査結果の詳細な説明をご希望のブルワリー関係者、クラフトビール関係者の方は、以下のフォームからお問い合わせください。
https://forms.gle/1T7dsiMEfoThQkx16

