定性調査とは
少人数に深く話を聞いて、行動の背景にある理由を明らかにする調査です。「何人がそうしているか」ではなく、「なぜそうするのか」を扱います。
数字は、何が起きたかを教えてくれます。ただし、なぜ起きたかまでは教えてくれません。ある商品が選ばれたとして、その理由が「比べたうえで価格に納得したから」なのか「そもそも他に比べる材料がなかったから」なのかで、打つ手はまったく変わります。ここを推測で埋めると、施策は当たり外れの世界になります。
定性調査は、その推測を、聞いて確かめる作業に変えるためのものです。
こういうときに使います
- 新しい商品やサービスの方向性を決めたいが、社内の意見が割れているとき
- サイトやアプリを改修したいが、どこから直すべきか決められないとき
- 離脱や解約の理由が、数字を見ても分からないとき
- ターゲット像が、いつのまにか「なんとなくの想像」になっているとき
- アンケートを作りたいが、選択肢に何を並べればいいか分からないとき
- 施策の案は出るが、根拠がなく社内を通せないとき
最後の2つは、定量調査の前段としての使い方です。何を選択肢に並べるべきかは、先に人の話を聞かないと決まりません。
こんなお悩みを解決します
「やってみたいけれど、どう進めればいいか分からない」。あるいは「施策の方針やターゲットを大きく変えたい」。そうした段階でご相談いただくことが多いサービスです。
このうちのどれかに近い状態であれば、設計の段階からご一緒したほうが早いと思います。
私たちの見方
当日ではなく、設計で決まります
インタビューの成否の大半は、対象者を決めた時点と、聞くことを決めた時点で決まっています。
流暢に聞けることが大事なのではありません。たどたどしくても、知りたいことが聞けていれば十分です。大事なのは、話していただいた内容とその方の背景を結びつけながら聞けること。そして、気持ちよく話していただくことです。
そのためには、誰に聞くのか、何を引き出したいのかを先に固めておく必要があります。ここを外すと、どれだけうまく聞いても使えない話しか出てきません。
理由だけでなく、行動と背景を聞きます
「なぜ買いましたか」と伺うこともあります。ただ、その答えをそのまま受け取ることはしません。人は自分の行動の理由を正確には説明できず、あとから筋の通った理由を組み立ててしまうためです。
そこで、理由とあわせて事実を聞きます。いつ、何をしていて、何をきっかけに、次に何をしたか。その方が普段大事にしていることを伺いながら、行動の順番をたどっていくと、本人が説明しなかった判断の分かれ目が見えてきます。
理由は、こちらで組み立てるものというより、聞いているうちに見えてくるものです。背景と行動が揃ったときに、はじめて輪郭が出てきます。
行動データと突き合わせて読みます
私たちはアクセス解析やユーザーテスト、ヒートマップの支援を本業にしています。そのため、インタビューで出てきた話を「実際にサイト上で起きていること」と突き合わせて読めます。
言っていることとやっていることは、しばしば食い違います。その食い違い自体が、いちばん使える発見になることがあります。
少人数の結果を、社内で通る形にします
定性調査の結果は「N数が少ない」と言われがちです。これは、定性の結果を定量のように扱おうとすると必ず起きます。
私たちは、定性の結果を「何%がそう言った」ではなく「こういう判断の型がある」という形で整理します。そのうえで、その型がどれくらい広がっているのかを確かめたい場合は、続けて定量調査で当たります。どちらの調査で何を言えるのかを、あらかじめ切り分けてお渡しします。
報告書ではなく、次にやることまで
調査会社の役割は「聞いて集める」までです。それ自体は正しいのですが、そこから施策に落とすところが宙に浮きがちです。
私たちはマーケティング支援の会社なので、出てきた発見をどの施策に、どの順番で反映するかまでご一緒に整理します。渡して終わりにはしません。
具体的にやること
① 目的の整理
何を決めるための調査なのかを先に決めます。「この調査が終わったときに、何が決まっていればよいか」を1行で書けるところまで詰めます。ここが曖昧なまま進んだ調査は、ほぼ確実に「参考になりました」で終わります。
② 対象者の設計とリクルーティング
誰に聞くかを決め、条件に合う方をお集めします。
| 項目 | 決めること |
|---|---|
| 対象条件 | 属性ではなく行動で定義します。「30代女性」ではなく「直近3か月以内に比較検討したが購入しなかった人」のように書きます |
| 人数 | 1セグメントあたり5名が目安です。セグメントを分ける場合は、その分だけ必要になります |
| 集め方 | 調査パネルから条件に合う方を抽出します。御社の既存顧客にお声がけする形にも対応できます |
| 除外条件 | 同業他社の方、調査慣れした方など、結果をゆがめる方を外します |
③ インタビューガイドの作成
聞く順番と、聞かないことを決めます。
聞きたいことを全部並べると、時間内に深く入れません。1回のインタビューで扱えるテーマは多くありません。何を落とすかを、目的に照らして先に決めます。
④ 実施
オンラインまたは対面で実施します。1回あたりの時間は30分から60分。30分では短いため、60分を推奨しています。
録画と書き起こしを行い、どちらもお渡しできます。
ご担当者の同席を歓迎しています。全ての回でなくても構いませんし、発言せず聞いていただくだけでも構いません。報告書で読むのと、実際に聞くのとでは、社内での説得力がまったく違うためです。
⑤ 分析とご報告
発言録をそのままお渡しすることはしません。発言を並べ替え、共通する判断の型を取り出し、施策の候補まで落としてご報告します。
ご報告後は、社内で説明する際に出てきたご質問にお答えする期間を設けています。
お受けできないこと
- 「この方向で合っている」という結論を出すことを前提とした調査。結論が決まっているなら、調査は不要です
- 統計的な代表性が必要な結論。それは定量調査の役割です
何を聞けばいいのかを決めるところから、お手伝いします
調査でどこまで分かるのか、費用はどのくらいかかるのか。構想の段階からのご相談で構いません。
進め方
初回のご相談は無料です。そのうえで、対象者と回数を決めてからお見積りをお出しします。
お問い合わせ
フォームからご連絡ください。
お打ち合わせ(無料)
何を決めるための調査かを伺います。
ご提案・お見積り
対象条件・人数・実施形式を決めたうえで、費用をお出しします。
ご契約・キックオフ
対象者のリクルーティング
インタビューの実施
分析・ご報告
スケジュールの目安
| 工程 | 期間 |
|---|---|
| 設計 | 1週間程度(目的の整理・対象条件・ガイド作成) |
| リクルーティング | 1〜2週間 |
| 実施 | 1〜2週間 |
| 分析・レポート作成 | 1週間程度 |
実施の途中でいったん内容を振り返り、仮説を更新したうえで、聞く内容の方向を修正することがあります。
よくあるご質問
Q費用はいくらですか。
A5名で30万円程度が目安です。リクルーティングの難易度、人数、セグメントの数によって変動します。
Q何人に聞けばいいのですか。
A1セグメントあたり3〜5名が目安です。ユーザーテストの分野では、5名で全体の約85%の課題が発見できるとされています(ヤコブ・ニールセン「Why You Only Need to Test with 5 Users」2000年)。インタビューでも同様に、この人数で同じ話が繰り返し出はじめます。人数を先に決めるより、何を決めたいかを先に決めたほうが、結果として少ない人数で済みます。
Q少人数の結果を、社内でどう説明すればいいですか。
A「何%がそう言った」という形では説明できません。代わりに「こういう判断の型がある」という形でご報告します。その型がどれくらい広がっているかを確かめたい場合は、続けて定量調査で当たる方法をご提案します。
Q自社の顧客に聞いてもらうことはできますか。
A可能です。御社の既存顧客にお声がけする形でも実施できます。対象者の方とのご連絡は、御社を経由していただく形を推奨しています。この形であれば、お客様の個人情報を弊社がお預かりする必要がありません。弊社で直接ご連絡する必要がある場合は、秘密保持契約に加えて、個人情報の取扱いに関する取り決め(利用目的の限定、安全管理措置、再委託の制限、調査終了後の削除)を交わしたうえで対応します。
Qインタビューに同席できますか。
Aはい。むしろ同席いただくことをおすすめしています。全ての回でなくても、聞いていただくだけでも構いません。実際に聞いた方が社内にいるかどうかで、その後の進み方が変わります。
Q録画や書き起こしはもらえますか。
Aお渡しできます。録画・書き起こしの両方をご用意します。
Q調査のあと、施策の実行まで頼めますか。
Aお請けできます。ただし、調査のみでも構いません。実行を前提としたサービスではありません。
聞くべきことが決まっていない段階から、ご相談ください
インタビューは、始めてしまうとやり直しがききません。誰に何を聞くかを決めるところが、いちばん費用対効果の高い工程です。
